八支則【全体像】
”心を良き状態に保つこと”
これをヨガの目的とする方に、是非お伝えしたいのが「八支則(はっしそく)」です。
八支則は、ヨーガスートラ(教典)の教えです。
心地よく暮らすために、日々のクラスの中で何をすれば良いかを8つのステップ(八支則)にして説いています。
ヨガクラスで行うポーズも8ステップに含まれます。私は八支則を学んでから、ポーズを練習する価値が高まり、日々前向きにポーズの練習を継続することができています。
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▶︎八支則の概要
①・ヨガのゴールは“悟り”
②・8つのステップ全体像
③・“内側のヨガ”と“外側のヨガ”
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▷①・ヨガのゴールは“悟り”
八支則ができた頃、ヨガのゴールは”悟り”でした。
悟りというと、遠い存在に感じるかもしれませんが、そうでもありません。“心地よく暮らせる状態”こそ、現代でいう悟りではないかと思います。私たちの体や心は外的な刺激を受けて、時に荒れます。そのような状態を保持し続けることが“苦しみ”となります。その苦しみを手放す方法こそがヨガです。ヨガでは、自分自身で心を身体をコントロールして、心地よい状態でいることを目指します。つまり、ヨガでいう“悟りを目指す”という内容は、“心地よく暮らすこと”と同じです。
▷②・8つのステップ全体像
さあ、それでは”悟り”=“心地よい暮らし”へ向かうには、どのように歩めばよいか。それこそが八支則の教えです。細かいことは横において、まずは大枠をざっと見てみましょう。
1、ヤマ=自分や他人、社会にしない方が良いこと
非暴力・正直・不盗・禁欲・不貪
2、ニヤマ=自分や他人、社会にすべきこと
清浄・知足・苦行・読誦・自在神への祈祷
3、アーサナ=ポーズ
瞑想のための姿勢づくり
4、プラーナヤーマ=調氣法
気をコントロールすること
5、プラテイヤハーラ=感覚制御
感情をコントロールすること
6、ダーラナ=集中
対象に集中すること
7、ディヤーナ=瞑想
瞑想状態 ダーラナが続いた状態
8、サマディ=三昧
至福の状態
▷③・”内側のヨガ”と”外側のヨガ”
ヤマニヤマ・ポーズ・呼吸は、主に”カラダ(言動を含める)”をコントロール方法です。よって、物質的なものを動かすヨガであり、“外側のヨガ”とされます。
いっぽう、集中・瞑想・三昧は、主に“こころ”をコントロールする方法です。よって、精神的なものを動かすヨガであり、“内側のヨガ”とされます。
外側の世界から、内側の世界へ入る橋渡しをするのが、感覚制御(プラテイヤハーラ)です。私たちは、五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を使って外側からの刺激を感じ、心を動かしています。つまり、五感を抑えれば、外的な刺激を取り込むことがなくなり、心の不要な動きが止まると考えられます。感覚制御は、感覚をなくすことで、自分の内面深くに潜る橋となるのです。
以上です。
この八支則は、下から積み上げていく説やすべては段階でなく円状であるなど考えは様々あります。誰もこの真意はわかっていない、そこにヨガを探求する面白さがあります。
ヨガの哲学の深い海へようこそ♡
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